八大教材教本 訓読

八大教材教本は、人類へ恵与された神聖なる御言であり、真のお父様がその畢生の掉尾まで精選された遺言書です。

平和神経 1-2

平和神経(2012年版)p36-50

【天啓の御言】(1-2)

 


  平和メッセージ2

ハナニムのモデル的理想家庭と国家と平和王国

天宙的理想郷に向かって世界平和具現を成し遂げようと、地球星の各地からいらっしゃった尊敬する平和大使、指導者、そして、祝福家庭の皆様!
御多忙中にもかかわらず、「天宙平和連合」をモデル国際連合(以下、UN)へ、そして天一国を全世界の国々が力を合わせ、「平和理想世界王国」へと創建していくための「天宙平和統一家庭堂」を、世界的次元に拡大、格上げさせ、「天一国平和統一堂」へと生まれ変わらせる本大会に御出席されるため、数千、数万里を駆けつけてくださった皆様に、心から感謝を申し上げます。
今年(2006年)は、私が生まれてから八十七年目となる年です。後天時代を大きく開いていく「天宙平和連合」の創設者として、私はきょうこの貴い席を借りて、「ハナニムのモデル的理想家庭と国家と平和王国」というテーマで、私が生涯をかけて教えてきた天の下さった真理の一端をお伝えしようと思います。


皆様、振り返ってみれば、実に夢のような私の生涯です。多感な夢に胸膨らませていた十六歳(数え)の年に天からの召命を受け、世俗の夢をすべてあきらめて、天命に従って出発した私の人生でした。決して平坦な道ではありませんでした。ひたすら、前だけを見つめながら歩いてきた八十有余年の人生でした。私のためにあらゆる犠牲に耐え、言葉では言い尽くせない受難の道を歩いてこられた愛する父母、兄弟が、切なる思いですがりつく、その手さえも振り払わなければ歩むことのできなかった宿命的な生涯でした。


この地上に六十五億の人類が生きていますが、その誰一人として理解できないような険しい道のりでした。これまで六度の獄苦を経験しながらも、最後まで摂理の鍵を放さずに生きてきた人生でした。

 

ハナニムの恨

このすべてのことは、数千、数万年を待ちながら訪ねてこられたハナニムの、恨で固められた、悲壮で、痛ましい心情を、あまりにもよく知り尽くした私だったからです。あらゆる存在の根源であられ、宇宙万象の創造主であられるハナニムの恨を解いてさしあげなければ、人生には何の価値もないという事実を知るようになったからです。
では、ハナニムの恨は、いつ、どこで、どのように生じるようになったのでしょうか。いったい誰が、万能の絶対者であられるハナニムに、恨を植えつけることができたというのでしょうか。
ハナニムは、アダムとエバを創造して人類の最初の先祖として立てられました。御自身のすべてを一〇〇パーセント投入され、愛と生命、そして、御自身の血統が連結した息子、娘として立てられたのです。父子関係こそ、あらゆる関係の中で最高、最上の関係だからです。ハナニムの血統を伝授し、永存させ得る唯一の道が、正に父母と子女の血統関係しかないからです。


しかし、生命より貴く重要なこの父母と子女の関係が、アダムとエバの堕落によって切れてしまいました。永遠のひとり子として立てた御自身の分身が、怨讐サタンと血縁的関係を結ぶことによってサタンの子女となり、離れていった現実の前に、ハナニムの胸には、歴史的な恨が血の塊のように固まったのです。歴史上、誰も理解できず、誰も解くことができない、無念極まりない悲しい恨として残ってしまいました。
アダムとエバを中心として、御自身の血統を永遠に伝授する真の家庭を立てようとされたハナニムの創造理想は、このように第一代で挫折してしまいました。したがって、ハナニムの恨を解いてさしあげられる唯一の道は、正にサタンの血統と関係のない、真の家庭を探し立てることです。ここに、私たち全員がハナニムの創造理想である真の家庭を立てなければならない理由があるのです。「天宙平和連合」創設の根本趣旨と目的も、ここにあるのです。

 

アダムとエバを創造されたハナニムの目的

旧約聖書の創世記第一章二十七節を見れば、「神は自分のかたちに人を創造された。すなわち、神のかたちに創造し、男と女とに創造された」というみ言があります。この節を帰納的に推理してみれば、ハナニムは一人の男性と一人の女性を合わせた方である、という結論が出ます。このようなハナニムが、独りでいるのは良くないと思われ、御自身の対象として創造したのが被造世界でした。すなわち、宇宙の万象は、形状的な対象の位置に、そしてその中心には、実体的な対象として人間を創造されたのです。


このように、ハナニムの実体対象として創造した最初の男性格代表がアダムであり、女性格代表がエバです。ところで、ハナニムがこのように人間を一男一女に分立して創造されたのには目的があります。
第一に、二性性相の中和的主体として自存されながらも無形であられるハナニムが、実体世界に相対するためには体が必要でした。男性の体だけでなく女性の体だけでもない、アダムとエバ、二人の体をまとって、実体世界と自由自在に往来し、作用するためだったのです。体をまとっていない無形のハナニムとしてだけでは、有形実体世界に相対するのに限界があるためです。
したがって、アダムとエバが、心の中にハナニムをお迎えし、一体となって完成した上で、結婚して子女を生んで家庭を築いたならば、アダムとエバは外的で横的な実体の真の父母になり、ハナニムは内的で縦的な実体の真の父母になったことでしょう。そうなれば、アダムとエバは、ハナニムに内外両面で一〇〇パーセント立体的に似た立場に立つようになったのです。このように、ハナニムに完全に似たアダムとエバが人類の真の父母になったならば、彼らの姿を通して、人類は、日常生活の中でハナニムの実体を実感して生きるようになっていたでしょう。


第二には、愛の完成のためです。アダムとエバが完成して完全一体を成した愛の実体になれば、そこにハナニムが臨在して人類の真の愛の父母になろうとされたのです。ハナニムの形状的な実体の父母の立場に立つアダムとエバは、実体の子女を繁殖することにより、理想家庭、理想世界を成し遂げたことでしょう。そのようになれば、人間を通して霊界と地上界が連結されます。このように、ハナニムは霊界と地上界を連結する目的をもって人間を創造された、という結論を下すことができます。
ハナニムは、真の愛を中心としてアダムとエバに臨在されることにより、人類の真の父母、実体の父母としておられ、アダムとエバが地上の生涯を終えて霊界に行けば、そこでもアダムとエバの形状で、彼らの体を使って真の父母の姿で顕現されるようになるのです。しかし、アダムとエバの堕落により、ハナニムのこの夢は挫折してしまったのです。


ハナニムが必要なのは、お金でも、知識でも、権力でもありません。ハナニムは絶対者であられ、全知全能であられる方なので、そのようなものは必要ない方です。いくら現代科学が目覚ましい発展を重ねても、それはすべてハナニムの創造圏内で新しい諸事実を発見していく過程にすぎません。膨大な宇宙は、人間の思考と科学が及ばない秩序の中で、法度に従って運行しています。このように、ハナニムは絶対的科学者でもあられるのです。

 

ハナニムの創造理想

だとすれば、人間創造を通したハナニムの理想は何だったのでしょうか。それは正に四位基台を成すことです。ここでいう四位基台とは、ハナニムを中心として、アダムとエバがハナニムの愛の圏内から離れようにも離れられない、完全一体の境地を意味します。ハナニムと一体を成すことはもちろん、彼らが互いに一つになって理想的な夫婦を成し、理想的な子女を繁殖することによって成し遂げるようになる、ハナニム中心の家庭的基台をいうのです。このように家庭的四位基台が完成すれば、これが正にハナニムの願われた創造理想家庭になるのです。


一般的に家庭とは、結局、父母と子女、そして夫婦の結合によって成された一つの束のようなものですが、この束の中心は、ハナニムの愛でなければならないということです。ここで、夫は天を代表し、妻は地を代表するようになります。したがって、夫婦は二人ですが、彼らが横的に一つになるとき、天と地が統一された立場に立つようになります。ハナニムの愛を中心として夫婦が一つになれば、天宙が統一される道が開かれるのです。
皆様、ハナニムが被造世界を創造されたのは、究極的には喜びを享受しようとされたところにあります。しかし、絶対者であられるハナニムも、独りでは喜びを感じることはできないので、愛を授け受けできる対象が必要だったのです。喜びは学ぶものではなく、相対を通して感じるものだからです。


言い換えると、ハナニムは、人間と万物がハナニムの愛を中心として一つになり、和気あいあいとした愛の世界をつくるのを見て、喜びを感じるためにこの世界を創造されたのです。そのような基盤の上で、人間がハナニムの愛を中心として真の夫婦の因縁を結び、真の愛の家庭と氏族、民族、国家、そして世界をつくるのを見て喜びを感じるために、この被造世界を創造されたのがハナニムであるというのです。
このように、ハナニムの愛の理想を完成するには、人間が絶対に必要不可欠なのです。そのような次元で、絶対価値とは、絶対的相対から創出されるものだということも理解できるでしょう。
ハナニムは父であり、人間は子女として、縦的な軸を形成するようになっていたのが人間創造です。もし、この軸が完全に連結されていたならば、すなわち、人間とハナニムの間に真の愛で一体となった関係さえ結ばれていたならば、宇宙のいかなる力も引き離せない、絶対不可分の関係ができていたのです。ハナニムの本然の愛に結ばれ、その愛を味わった人が、どうして再び分かれることができるでしょうか。
蜜蜂は、春になれば、長い冬ごもりから目覚めて新鮮な蜜を味わうようになります。夢中で花の蜜を吸っている蜂のしっぽをピンセットで引っ張ってみてください。しっぽが抜けて体から離れても、蜜から口を離さない蜜蜂を見ることができるでしょう。皆様はいかがですか。皆様が本当にハナニムの真の愛の味を知るようになれば、たとえ逃げても、また戻ってきて、その真の愛にしがみつこうとするのです。このように、ハナニムと連結させてくれる縦的な真の愛の力は、生命の力よりもっと大きいということです。


 

家庭の価値

皆さん、私たちが遠く離れた家族を慕うのは、そこに、為に与える愛があるからです。母、父の愛、兄弟姉妹の愛、妻子と隣人、親戚の愛が一つ一つ宿っているところです。このすべての関係と縁が、為に与える愛で結ばれており、1つのように抱きたい温かい所です。そこ解放された自分として堂々と現れ、山川草木を抱き、一家親戚を愛しながら歓喜の歌を歌いたいのが家族を残し旅人の郷愁であり本望なのです。故郷から追い出され本郷の心情の根を失ってしまい、家族を見てたくても帰ることができなかった、永遠の孤独の敗北者としてガラスの顧客で生き地獄にしか行くことができなかったのが堕落の末裔た人類の身の上だったというのです。
しかし、人類は今、後天開闢時代を迎え、このような足かせの沼から解放され、夢にも忘れることのなかった故郷を訪れ、家族に出会える道が開かれました。人類にとって、これほど大きな祝福の日が、またとあるでしょうか。アダムとエバが堕落によって失ってしまった本然の家庭を、私たちが再び探し立てられる、天運の時が到来したのです。


 

3代が調和して暮らす家庭

皆様が失ってしまった本然の家族を訪ねていく時は、アダム完成の位置で、イエス様完成の位置で、そして再臨主を代表する、完成した位置で行かなければなりません。その家庭には、ハナニムが臨在されるでしょう。祖父母、父母、子女が、共に和して暮らす三世代の家族になるでしょう。おじいさんを歴史的な先祖の根っことして侍り、暮らさなければなりません。
共に生きる生活の典型は家庭です。父母と子女は愛と尊敬で、夫婦は相互信頼と愛を土台として、兄弟姉妹はお互いに信じて助け合いながら、一つになって暮らす家族の姿が、正にモデル的理想家庭なのです。真の愛の根に、真の愛の幹が生じて、真の愛の実を結ばせる、真の家庭を取り戻さなければならないという意味です。
そのような家庭には、歴史の根が生きており、天国の根が張っているということです。地上天国の根が張っている所が、そのような家庭です。永遠に継続するハナニムの王権の根も、ここに定着するのです。過去、現在、未来の根が、それぞれ祖父母・父母・孫と孫娘に代表され、過去の根は霊界を代表し、現在の根は現世界を代表する王宮であり、未来の根は孫と孫娘を王子、王女として立て、二つの世界、すなわち霊界と肉界を代表する平和の宮殿を建てて暮らすのです。


このように、祖父母・父母・孫と孫娘を中心として、三代が一つの家庭で、永存されるハナニムに侍って暮らす天一国家庭を探し立てることが、氏族的メシヤの責任であり、平和大使の使命であり、ハナニムの願いであることを知らなければなりません。
ハナニムも、どこかへ外出しても、懐かしく思い、再び訪ねてこられる家庭を築きなさいというのです。父母が子女の家を訪ねるように、喜びの心で気楽に訪ねられる家庭を準備しなさいということです。それが、正にハナニムに侍って暮らす生活です。そのような家庭では、ハナニムが縦的に良心の主体になり、皆様の心は、その縦的主体に従って自分自身の縦的主体の立場に立って、心と体を統一するのです。そこでは、父母の愛、夫婦の愛、子女の愛、兄弟姉妹の愛という四大愛圏、すなわち四大心情圏が完成するのです。このような家庭であってこそ、上下、前後、左右が一つに連結された球形運動を継続するようになり、したがって、永存するハナニムのモデル的理想家庭と国家と平和王国になるのです。


 

結婚の目的



それでは、主人の位置を求めて何をしようというのでしょうか。その位置でハナニムの愛を占領しようというのです。ハナニムは三大愛の主体であられます。天宙の主人として、真の愛の師、真の愛の主人、真の愛の父母であられるのです。これが正に、真の三大主体思想です。このようなすべての教えと真理が、真のモデル的家庭の生活を中心として創出されるのであり、これを拡大すれば社会と国家、そして世界と天宙までも、モデル的理想家庭による平和王国に変えることができるのです。
尊敬する指導者の皆様、皆様は今、有史以来、最も恵まれた貴い時代に生きています。歴史上、誕生しては逝った数千億に達する皆様の先祖たちが、霊界で何よりも待ち望んだ後天開闢の時代、すなわち「平和理想世界王国時代」の出帆を宣布いたします。四大聖人たちはもちろん、数千億の善なる先祖たちが総再臨し、皆様を天の道へと導いています。悪なる者たちが幅を利かせて生きるような、不条理で腐敗した時代は過ぎ去っていくのです。
天の印を受け、人類の真の父母として、また万人の平和の王として顕現したレバレンド・ムーンは、天との約束を必ずや果たすことでしょう。
この地球星に、必ずや「平和理想世界王国時代」を花咲かせることでしょう。したがって、真の父母であられる平和の王をお迎えし、この地上に永遠の「平和理想世界王国」を創建する主役たちが、正にきょうこの席にお集まりになった皆様であるという点を、肝に銘じてくださるようお願いします。


アベルUNの旗を掲げて、全世界の不条理と悪をハナニムの真の愛で掃き出しましょう。誇らしい「天宙平和連合」の「平和王国警察」と「平和王国軍」になり、世界中の祝福家庭を守り、祝福の地、この地球星を守る守備隊の役割を完遂いたしましょう。
きょうこのように、この場に参席してくださった各界指導者の皆様に、天の恩寵と祝福が満ちあふれんことをお祈りいたします。
それとともに、「天宙平和連合」の発展と成功のために、ハナニムの理想家庭と理想国家と平和王国を創建するにおいて、真の父母と共に最善を尽くす皆様となられることを願います。
億兆蒼生の平和の王であられるハナニムを真の父母としてお迎えして暮らす、真の王子、王女になってください。真の孝子、忠臣、聖人、聖子の家庭の道理を果たし、太平聖代の平和王国を創建しましょう。ハナニムの祝福が皆様の家庭と国家の上に満ちあふれることを願います。ありがとうございました。

(このメッセージは、2006年3月に開催された、韓国の平和大使および各分野の指導者大会の時に、文鮮明韓鶴子ご夫妻が講演されたメッセージです)